作成日:2018年9月26日 更新日:2018年10月29日
公開期限:2020年5月末

1. 研究班について

1-1. 趣旨

医療の進歩とともに、求められるがんの情報は増えてきました。支援の範囲も急速に広がっていますが、情報提供の中には営利目的で不確実な情報へ誘導するものもあり、患者への影響が問題視されています。

これらを解決するためには、信頼できる情報を作成し、その情報が国民に届くことが必要です。本研究は、迅速・確実な情報提供および相談支援における、将来に亘って持続可能な体制の構築を目指しています。

1-2. All Japanでの“持続可能な”一般向けのがんの情報提供の体制:グランドデザイン案

迅速・確実な情報提供および相談支援における、将来に亘って持続可能な体制の構築のためには、“All Japan”でのがん情報提供体制と、がん相談支援の有効性の検証とエビデンスに基づくがん相談支援体制の発展が不可欠です。本研究班では、体制の確立を目指し、研究計画を立てました(図1)。

がん情報提供体制については、現在のところ、主に国立がん研究センター「がん情報サービス」により行われていますが、多様化する国民の情報ニーズに対し、情報作成は追いついていないのが現状です。それは人員の確保が困難であるだけでなく、専門性の高い情報を作成する難しさがあるためです。

その問題の解決には、情報発信を担える組織や団体、専門性のある組織や団体がそれぞれの強みを生かし、補い合うという構想が検討されました。信頼できるがんの情報の入り口である「基本情報」と、より詳しい(専門性の高い)情報の「詳細情報」の二段階で、国内の“信頼できるがん情報提供集団”の円滑な連携による情報提供の体制を目指します。また、国民の情報ニーズに対しては、患者等の情報ニーズ(PVP:Patient‘s views and preferences)を拾い上げる仕組みを検討しています。

All Japanでの“持続可能な”一般向けのがんの情報提供の体制のグランドデザイン案を図2に示します。

図1 将来に亘って持続可能ながん情報提供と相談支援の体制の確立に関する研究

将来に亘って持続可能ながん情報提供と相談支援の体制の確立に関する研究

図2 All Japanでの“持続可能な”一般向けのがんの情報提供の体制:グランドデザイン案

All Japanでの“持続可能な”一般向けのがんの情報提供の体制:グランドデザイン案

1-3. メンバー

本研究班は、国内のがんに関連する主要な学会の関係者、患者・市民向けに広く情報提供を行う組織・団体、がん医療や情報の担い手、がんの支援組織・団体の関係者により構成されています。

研究代表者:高山 智子 国立がん研究センターがん対策情報センター

1)持続可能ながん情報提供体制の検討
研究分担者:

主な立場
日本癌治療学会藤原 俊義岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・消化器外科学
日本臨床腫瘍学会近藤 俊輔国立がん研究センター中央病院 先端医療科
緩和医療領域中島 信久琉球大学医学部附属病院・地域医療部
日本サポーティブケア学会田村 和夫福岡大学医学部総合医学研究センター
MINDS(診療ガイドライン)奥村 晃子公益財団法人 日本医療機能評価機構 EBM医療情報部
がん情報サービス若尾 文彦国立がん研究センターがん対策情報センター
希少がんセンター西田 俊朗国立がん研究センター中央病院 胃外科
専門職大学院/体験者語り他DB中山 健夫京都大学大学院医学研究科・健康情報学
全国がんセンター協議会/がん診療連携拠点病院藤 也寸志九州がんセンター・消化管外科
がん相談支援センター清水 奈緒美神奈川県立がんセンター 緩和ケア・患者支援部 患者支援センター

研究協力者:

沖崎 歩国立がん研究センター東病院 緩和医療科
垣添 忠生公益財団法人 日本対がん協会
木内 大佑国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
坂元 敦子杏林大学医学部付属病院 看護部
田口 良子鎌倉女子大学家政学部
平田 公一JR札幌病院・札幌医科大学
松本 陽子全国がん患者団体連合会
渡邊 清高帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科
石川 文子国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供部
浦久保 安輝子国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供部
木下 乙女国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供部
早川 雅代国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供部
矢口 明子国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供部
八巻 知香子国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供部

2)がん相談支援の有効性の検証に関する検討
研究分担者:

萩原 明人九州大学大学院医学研究院・社会疫学
森田 智視京都大学大学院医学研究科医学統計生物情報学・生物統計学
藤 也寸志九州がんセンター・消化管外科
清水 奈緒美神奈川県立がんセンター 緩和ケア・患者支援部 患者支援センター

研究協力者:

小野塚 大介九州大学大学院医学 研究院
井上 洋士国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供部
八巻 知香子国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供部

1-4. 資金源

厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)「将来に亘って持続可能ながん情報提供と相談支援の体制の確立に関する研究(H29-がん対策-一般-005)」

> 2. 信頼できる情報を作成していくための研究